6月である。早くも今年の折り返しコーナーに6月といえば梅雨の季節。しかし、これが無ければ、日本の五穀豊穣は望むべくもない。五月雨をあつめて早し最上川。芭蕉
さみだれとは、今の6月に降る雨のことだ。
①「芭蕉物語」(麻生幾次)新潮社・全3冊
人生は旅であり、旅は人生である。これは旅の本である。
②「日本列島再発見」(清水馨八郎)角川文庫
古い本だが、日本列島の野放図な開拓が荒廃とゆがみ、格差を生み出すことに警鐘を鳴らしている。
③「アジア菜食紀行」(森枝卓士)講談社現代新書
スパイス、精進料理、トウフ、しかして内臓を食べつくす文化。
④「ハラノムシ、笑う」(田中聡)河出書房新社
入梅と言えば、食中毒に注意しなければいけない。サブタイトルに<衛生思想の図像学>とある。
⑤「憑きものー怪異の民俗学1」(小松和彦編)河出書房新社
全国各地(恐山のイタコ、沖縄)から平安、江戸のタテ軸までが縦横に乱立。それこそ梅雨時にふさわしいテーマだ。
⑥「愛国と信仰の構造」(中島岳志・島薗進)集英社新書
うっとうしい日本。副題に<全体主義は蘇るのか>とあり、やっぱりタブーにしてはいけないテーマだ。
⑦「ポスト・アメリカ」(ウォーラーステイン)藤原書店
うっとうしいのはアメリカである。40年前の著作だが、地政学の内面を
<地政文化>として捉える視点がすぐれている。
⑧「最新俳句歳時記(夏)」(山本健吉編)文春文庫
もとに戻るが、五月雨は夏の季語。この本は6月から8月までカバーしているので非常に便利。
雨・涼一味
下旬は夏越の祓(はらえ)で、酷暑に備えましょう。
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